研修概要
 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、今年度は、第3・4回のみ実施しました。第3回目は、大研修室382号室を本会場とし、3つのリモート会場に分散して実施し、後半はパネルディスカッションの形で、本会場を中心に各会場とのやりとりを行いました。

第3回「非行や虐待から見える子供の生きづらさ」
 期日 令和2年9月17日(木) 
 講師 名古屋少年鑑別所 富山少年鑑別支所長 法務技官 下原 正裕 氏  
    高岡児童相談所 相談支援班長                            関   勝 氏

<講義内容:下原先生より>
 少年院や少年鑑別所からみた非行少年の特徴として、「居場所がない」「自尊感情が低い」「人生の目標がない」「他者から必要とされない」という姿があります。子供の問題行動を理解するためには、子供の特性(能力、性格等)、子供を取り巻く環境、問題行動に及ぶ状況をよくみることが大切です。

<講義内容:関 先生より>
 児童相談の状況から、児童虐待の中でも、最近は心理的虐待が増加しています。虐待の背景には、親の生育歴・親自身の要因、子供の要因・特定の親子関係の要因等、複雑です。学校での対処として、学校は、安全な場所であることを理解してもらい、学校での情報共有、役割分担を考えること、学校以外の機関とも連携していくことが必要です。

<受講者の感想>
 受講者からは、「子供を取り巻く環境は多様化・複雑化しており、問題行動だけを見て決めつけてしまうことのないよう、小さなことでも丁寧に見ながら向き合っていきたい」「下原先生や関先生のような専門機関の方を頼ることも一つの方法として知ることができた。困ったときは、相談したり連携したりしたいと思った」との感想がありました。             

本会場(382号室)

リモート会場

パネルディスカッション(右から下原先生、関先生、舘野客員研究主事)

 

第4回「小児・思春期に見られる病気の特徴」
 期日 令和2年10月8日(木)  
 講師 富山県リハビリテーション病院・子ども支援センター 小児科部長 森  昭憲 氏

<講義内容>
 子供は生来の性質を持ちつつ、周囲の影響を受け続け、大人になっていきます。教師は、子供たちへ、元気もダメージも与え、子供の人生のカギを握る重要な存在です。子供の問題行動とみられるものは、大人への「抗議」「SOS」の行動と考え、行動、言動をするのには理由が必ずあるという理解が必要であり、大人の温かい眼差しで子供を見続けていくことが重要です。子供の支援は、ちょうど、視力低下にはメガネ、聴力低下には補聴器、骨折したらギブス、と同じように、発達に特性がある子は、体質にあった工夫をするだけです。良いか悪いかにこだわりすぎず、まずは、子供に寄り添って話を聴き、具体的にやるべきことを示すことが大切です。

<受講者の感想>
 受講者からは「問題行動を問題と捉えるか、SOS等、子供からの投げかけと捉えるかでは、子供への関わり方やサポートの仕方が全く違ってくると感じた」「生徒の気持ちを想像したり、話を聴いたりして、生徒が過ごしやすい環境づくりや心のサポートができるようにしたい」「今一度、一人一人の特性を見つめ直し、それぞれに合う対応をしていきたい」などの感想がありました。

森先生の講演