研修概要

令和元年6月11日(火) 
 第1回「いじめの理解と対応」 
  講師 富山県公認心理師会 会長 中塩 真巳 氏

生指セ中塩真巳 いじめは犯罪行為である。学校では教師が、そして家庭では親が子どもの日々の変化に気付くことが大切である。見守られているという安心感や温かい人間関係があり、いじめに明確に抵抗し、いじめを認めない学級集団・家庭・社会を形成することが、いじめ予防や深刻化の阻止のために重要である。
 受講者からは「児童生徒と話すときは先入観をもたずに話す姿勢が大切だと思った」「『教師は知っているはず』と子どもたちに思われている、という話が印象に残った。子どもの小さなサインを見逃さずに真剣に対応していくことが大切だと思った」「自分は児童生徒の声に耳を傾けているのか、ちゃんと見ようとしているのか、傍観者、観衆をつくらない指導をしているのか、考えさせられた」との感想があった。 大人が温かい目線で子どもたちにいかに関心を持っているかが問われていると感じた。

 

令和元年8月20日(火) 
 第2回「通常の学級における特別な支援を必要とする児童生徒への支援の在り方」 
  講師 大正大学  教授 玉井 邦夫 氏

生指セ玉井邦夫

 どんな障害があろうが、どの子も過ごす時間は24時間。その子にどんな力があればもっと生活が豊かになるのかは、通常の学級で捉えやすく、見つかった課題をスキルとして分析してどうトレーニングしていくかを計画して行うのは特別支援学級の方が長けている。しかし、スキルを使う場を提供しなければ意味を成さない。通常学級にいる時間をより実りのあるものにするために、特別支援級での補いが必要である。周囲の児童生徒が、その子のつまずきを理解し、うまく付き合う方法を考えるという経験は非常に重要である。特別支援教育の本質は通常学級の経営の中にあるともいえる。
 受講者からは「『認知の地図』という考え方に共感した。自分の見方や捉え方にも癖やこだわりがあるかもしれない、と気付いた」「何気なく言葉を選んで子どもと会話をしていたけれど、『大人の勝手決め』でいろいろと制限していて、子どもにしっかりと伝えていないことがたくさんあったな、と反省した」との感想があった。

 

令和元年9月19日(木) 
 第3回「不登校児童生徒への理解と対応」 
  講師 富山大学 教授 喜田 裕子 氏

 不登校への対応では、不登校児童生徒を支援することだけでなく、新たな不登校を生み出さないこと、魅力ある学校づくりに努めること、ストレスの芽を一つずつ摘んでいくことが大切である。すべては安心感から始まる。大人は、子どもにとっての安心の基地・安全な避難場所でなくてはならない。子どものネガティブ感情をしっかりと受け止め、共感することで指導も入りやすくなる。  
 そして、不適応の理解と早期対応、特に二次支援をチームで取り組むことこそが不登校支援の要となる。学校の対応を個業化させず、協働化する。教師が互いに声をかけ合い、見守り合い、子どもの欠席日数を把握して意識し続けられるよう工夫していくことが必要である。支援は、短期目標と長期目標を切り分けて考え、なるべく小さな実現可能な短期目標を意識するようにする。「つなぐ、維持する、育む」が支援の三原則である。
 受講者からは「『安心の輪』について考えさせられた。教師として、親として、いつでも子どもよりも大きく、強く、賢く、優しい存在であるよう心掛けたい」「どんなに忙しくてもしっかりと子どもと向き合い、目線を合わせて『安心の輪』をつくりたい」「すぐに解決策を言うのではなく、まず『大変だったね、つらかったね』と共感してあげたい。受容・共感の大切さを改めて感じた」などの感想があった。

令和元年10月10日(木) 
 第4回「学校と医療との連携の在り方」  
  講師 富山大学 教授 宮 一志 氏

生指セ宮一志

 児童生徒の問題行動は、心理社会的因子により引き起こされる。児童生徒の特性により、問題行動を起こしやすくなることがあり、深刻化してからの対応は、非常に困難である。
 医療の得意なこと、できることは、子どもの心身の状態を判断・診断すること、医療的な検査、治療ができること、一人一人の子どもに長時間関わることができることである。苦手なこと、できないことは、子どもが家庭、学校の中でどのような行動をしているか知ること、子どもに働きかけて能力を高めること、一人一人の子どもに長時間関わること、病院に来ない子どもたちに関わることである。一人一人の子どもとしっかりと関わることができる先生方には、自信をもって子どもたちと関わっていただきたい。
 受講者からは「医療の面から見られる子どもたちの姿と学校で見られる子どもたちの姿がうまく情報共有できると、本人も家族も気が付いていない困難な状況を解決できる場合もあると感じた」「できない、やらない、を叱らずに、その子の話を聞き、その子ができること、できる量を相談しながら学習を進めていきたい」などの感想があった。