趣旨 
今日的な生徒指導上の諸問題への対応をテーマに、困難な状況にある児童生徒の理解を深める。

研修概要
第1回「ネットコミュニケーションの課題と対応」
期日 令和3年6月8日(火)
講師 ソーシャルメディア研究会 チーフ技術指導員 竹内 義博 氏

 情報モラルについての研究者の立場から、ネット時代の特徴や課題と対応について講義があった。ネットやスマホで起きるトラブルの根幹は、日常のコミュニケーションや心の問題であり、普段から子どもに声をかけ、子どもが困ったときに相談できる関係を築いておきたい。ネット問題は社会全体の問題になっており、正しく怖がり賢く使うために、大人と子どもが一緒になって納得のいくルール作りをしていくことが大切である。

 受講者からは、「めまぐるしく変化するネット社会の中で、子どもたちは必死に人間関係を築こうとしてトラブルになるのだと感じた。救いの手を差し伸べられる大人でありたいと思った。」「現代社会が急速に発展し、便利さの中に危険性も多くあることが分かった。」などの感想があった。

第2回「様々な学校不適応の理解」
期日 令和3年7月30日(金)
講師 東京大学大学院 准教授 大塚 類 氏

 学習支援ボランティアとしての子どもたちとの関わりから、実際に起きたことそのものから考える現象学の知見に基づき、学校不適応の理解について講義があった。私たちは、一人一人が自分ものの見方や感じ方、考え方をもって生きている。学校不適応とみられる言動には様々な背景があるが、子どもの思いに寄り添うことで、心の中の困難や苦しさを知ることができる。その子がやりたいことやなりたい姿を実現させるために、ありのままの姿を受け止め、その子のもつ可能性をともに考えていくことが大切である。

 受講者からは、「子どもが何に困っていて、なぜその行動をとるのかなど、いろいろな角度から見ることが大切だと改めて感じた。子どもの思いを大切にしたい。」「自分の日頃の関わり方次第で、子供の可能性を広げることも狭めることもあると気付いた。」などの感想があった。

第3回「医療からみる児童生徒理解」
期日 令和3年9月16日(木)
講師 富山県リハビリテーション病院・こども支援センター 小児科部長  森 昭憲 氏

 多くの子どものメンタルケアを行う医師としての立場から、児童生徒理解について講義があった。教師は、子どもの人生のカギを握る重要な存在であり、子どもに元気もダメージも与えることを自覚する必要がある。大人の無知や偏見は、子どもたちを傷つけ、その将来にも影響を及ぼす可能性があることを知ってほしい。支援とは、誰にでも発達の特性があることを理解し、その体質に合った工夫をすることである。「誰のための学校か」を常に意識し、温かい眼差しで子どもの良い所を見ながら、やるべき行動を具体的に示していくことが大切である。

 受講者からは、「子どもたちへの接し方を振り返り、反省する点が多々あった。子どもの言動の理由や背景をよく知り、共感することを心がけたい。」「学校は生徒を苦しめる場所ではなく、支援する場所でなくてはならないと強く感じた。」などの感想があった。       

第4回「児童生徒の困難を支えるソーシャルワーク」 
期日 令和3年11月2日(火) 
講師 富山県社会福祉士会 会長 清水 剛志 氏

 子どもの困難に対して生活を支える視点でかかわるスクールソーシャルワーカーとしての立場から、子どもの不適応行動の理解と支援、その背景にある生活課題の現状等について講義があった。家庭や地域、友人関係など、あらゆる視点から問題をとらえ、関係機関と調整しながら援助の方法を考えていく。本人のライフステージを見通し、その子にかかわる大人がそれぞれの立場で見立て、支援し、本人が自分のもつ力を高め発揮できるように環境を整えていくことが大切である。

 受講者からは、「児童生徒を理解するときには、子どものストレングスを見付けることや、『ストレングスになり得る』という視点をもつことが大切だと感じた。」「SCとSSWとの違いを認識できた。生徒の状態に応じて相談し対応していきたい。」などの感想があった。